前回の記事でも書きましたが、更年期の症状や更年期障害の原因は女性ホルモンである「エストロゲン」の減少によるものでした。
⇒ 更年期障害はホットフラッシュや疲労感から 更年期はなぜつらい?
そして怖いことに、エストロゲン不足が影響していると考えられる更年期の症状に、動脈硬化や脳卒中、骨粗しょう症などもあることを知りました。
何とか女性ホルモン「エストロゲン」の減少を押さえたいですが、残念ながらエストロゲンの減少を止めることはできません。が、「女性ホルモン(エストロゲン)を補う」ことは可能だとわかったのでまとめておきます。
Contents
女性ホルモン「エストロゲン」を補うには
エストロゲンを補うには、従来から婦人科で診療を受ける「女性ホルモン補充療法」が行われています。
他には女性ホルモンに似た働きをする成分を食べる、サプリメントなどで補う方法もあります。
女性ホルモン補充療(HRT)を受ける
女性ホルモンを補う「女性ホルモン補充療法(HRT)」は、婦人科などで、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を注射や錠剤で補充する療法です。
医師の処方する薬としては、飲み薬、貼り薬(貼付剤)、塗り薬(ジェル)があります。これらは更年期障害の治療としては健康保険が適用されます。
私も症状がつらい時に婦人科へ通院し、錠剤(ジュリナ・エストロゲン単剤)を処方され、服用していました。
ホルモン補充療法は更年期の辛い症状を緩和させるだけでなく、骨密度を増加させ、心臓血管系疾患のリスクを下げるなど、多くの効果があります。
<ホルモン補充療法に期待される効果>
- ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)、寝汗、睡眠障害、関節痛などを和らげる
- 抑うつ気分、または抑うつ症状を改善する。
- 骨を破壊する細胞(破骨細胞)の生成を抑えて骨密度を増加させる。
このため、骨粗しょう症を予防するだけでなく、すでに骨量が減少した女性に対しても 高い骨折予防効果を持つ。
- 皮膚のコラーゲンやエラスチンを増やし、肌の張りや潤い、柔軟性を保つ。
- 膣粘膜の乾燥を防ぎ、性交痛を改善する。
- 抗酸化作用がある。
- 血管壁を柔軟にして、心臓血管系疾患のリスクを下げる。
- 糖・脂質代謝によい影響を与える。
- 過活動膀胱の症状を和らげる。
- 認知症リスクを抑える可能性がある。
- 顎骨(あごの骨)の骨密度を増加させる。
- ひざやひじ、指の関節などの軟骨の代謝にもよい影響を与える。
- 大腸がんのリスクを下げる。
更年期の症状を和らげるだけでなく、このように肌のハリや潤いを保つなど美容効果も高く、多くのメリットがあるホルモン補充療法(HRT)なのですが・・・。
急激に太り始めてしまったこともあり私のホルモン補充療法は途中であきらめてしまいました。(ホルモン補充療法の影響かはわかりません)
太ってしまったのはともかくとして、しばらく通院を続けなくてはならないこと、いつまで治療を続ければ良いのか先が見えないことがホルモン補充療法のデメリットですね。
女性ホルモンに似た働きをする成分を摂取する
エストロゲンを補うには、ホルモン補充療法以外にも「女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分を摂取する」といった方法でも可能です。
上手に対策を行うことで更年期の症状の緩和や予防に効果的です。
女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分を摂取する方法は、通院することなく更年期の辛い症状を緩和することができます。
女性ホルモン補充療法(HRT)は途中断念した私でしたが、「女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分」を多く含む食品を食べ、骨量を補うためカルシウム豊富な小魚、乳製品などを積極的に摂り、食物繊維も十分摂るように心がけることで、更年期症状は軽くなり、毎日を明るく過ごすことができました。
その主な成分を次からまとめますね。
女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分
女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをするのは、主に
「大豆イソフラボン」
「エクオール」
「サポニン」
があります。
※正しくは「イソフラボン(ダイゼイン)」が体内で分解されて「エクオール」と言う成分が作られます。
女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分ではありませんが「ホルモンバランスの乱れを整える」などの作用が期待できる、総合的な美容成分でもある「プラセンタ」も更年期の辛い症状緩和に有効です。
大豆イソフラボンとは
大豆イソフラボンは大豆食品に多く含まれる成分で、女性ホルモンの1つである「エストロゲン」と似た化学構造を持ち、働きもエストロゲンに似ていることがわかっています。
つまり大豆イソフラボンは、エストロゲンの不足を補い、トラブルを予防してくれます。
大豆を毎日食べる人は更年期の症状も軽いという報告があるそうですよ。
大豆イソフラボンの特徴は、女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)に似た働きをし、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれる事にあります。
加齢とともにエストロゲンの分泌量が減少すると、やがて更年期、閉経を迎え、それに伴い、「更年期障害」と呼ばれる体と心のトラブルがみられることがあります。そこで大豆イソフラボンは、エストロゲンの不足を補い、トラブルを予防してくれるのです。大豆イソフラボンを多く含む食品 参考・引用:大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、大豆や豆腐などに多く含まれています。手軽に毎日摂れる食品なので、普段から摂るようにしたいですね。
エクオールとは
更年期の症状の対策として、イソフラボンが体内で分解されてできる「エクオール」が鍵を握っています。
エクオールはエストロゲンと構造や働きが似ていて、エストロゲンが足りない時、代わりに女性働いてくれます。
※参考:日本経済新聞(2018/10/15)
近年の研究で、大豆イソフラボンに含まれる「ダイゼイン」が、体内の腸内細菌によって代謝されると「エクオール」に変化して体内に吸収されるということがわかりました。
「エクオール」は大豆イソフラボン(ダイゼイン)から体内の腸内細菌によって作られます。「エクオール」は「大豆イソフラボン」と比べて、より女性ホルモンに似た働きをします。
ところがエクオールを生み出す腸内細菌はすべての人の腸の中にいるわけではないことがわかってきました。その割合は日本人では40~50%だと言われています。半数の日本人しかエクオールを作ることができないということですね。
さらに住んでいる地域でもエクオール生産の割合が違うとか・・・??どうも食生活に深く関わりがあるようですね。
住んでいる地域によっても作れる割合は異なることもわかっています。
腸の中の菌のバランス、すなわち腸内細菌叢は、食生活に深く関わりがあり、関東に比べて関西の人の方がエクオール生産者が少ないのは、関西の方が納豆を好んで食べる人が少ないからではないかとも推測されています。
更年期症状が重い人と軽い人・・・。これにもエクオールとの関係性があり、「エクオール」量が尿中に少ない人は更年期症状が重いそうです。
いったい私はエクオールを作ることができているのでしょうか?そのあたりは心配になりますよね。
それを調べるには、エクオールを体内で作ることができるのかを調べる「ソイチェック」と言う検査キットがありました。
検査キットを使って尿で調べることができます。
サポニンとは
サポニンは、植物の根、葉、茎などに含まれている成分で、抗酸化作用、免疫力向上のほかにも、肥満予防、血液改善、肝機能の向上、咳や痰を押さえるなど様々な作用があります。
特に薬草人参(田七人参・高麗人参など)に含まれるサポニンは「ジンセノサイド」と言われます。
他の植物と比べ含有量は群を抜いていて種類も豊富だそうです!
えぐみや苦みがあり、水に溶けると泡立ちます。
薬草人参の有効成分はサポニンです。サポニン成分は、ほとんどの植物が保有していますが、人参における含有量は群を抜いており、また種類も豊富です!
参考:田七人参研究
高価ではありますが、薬草人参に含まれるサポニン(ジンセノサイド)は「毒性」がないのが特徴で、長期間、多量に摂っても習慣性や副作用がないもの。
これは安心して摂取できますよね。

また、サポニンは、自律神経のバランスの改善する働きもあり、自律神経のバランスが乱れることで起こるホットフラッシュなどの更年期の症状を和らげます。血流も改善するので脳卒中などの予防にも期待できます。
サポニン含有のサプリはとても元気になれるので【疲れ】や【だるさ】を感じている時にもおすすめです。私も飲んでみました。飲んでみた体験談も書いてますので参考にしてください。
エストロゲンに似た働きをする成分を摂取するには
女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分「大豆イソフラボン」や「サポニン」を摂取するには、毎日の食事で含有する食品を摂ることで可能です。
エクオールについてはイソフラボンを摂取しても自分の体内でエクオールを作れるかわかりませんが、まずは作れることを信じて私自身も大豆製品を食べるようにしてみました。
少しでも辛い症状を緩和し、エストロゲンの減少を穏やかにすることができるといいです。
大豆イソフラボンを多く含む食品
大豆イソフラボンは、大豆、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品で補うことができます。
前述したように大豆イソフラボンは体内でエクオールを作ることができます(エクオールを作ることができる人は約50%)。
サポニンを多く含む食品
大豆製品、高麗人参・田七人参・お茶・ごぼう、アマチャヅルなどから、食事やお茶で摂ることができます。
ごぼうは良く洗ってから皮をむかずにそのまま調理すると効率よく摂り入れられます(※皮の部分にサポニンが多く含まれているため)。
高麗人参、田七人参、アマチャヅル、ゴボウはお茶などでも摂取できます。
サプリメントで摂ることがおすすめ
つらい更年期障害を乗り越えるために更年期サプリの力はとっても重要で、最近ではエクオール含有サプリなどを病院で勧められることも多いそうです。
女性ホルモンの減少による辛い症状を緩和してくれるサプリはたくさん販売されています。
婦人科へ行くことに抵抗がある、ホルモン剤を飲むことに抵抗があるなどの場合はサプリメントを利用してみるといいですね。
エクオールを体内で作ることができてもできなくても、「エクオールサプリ」でエクオールを直接補充することができるようになったことは、更年期の症状の緩和や予防に大いに期待できるようになりました。
ただ、サプリの種類が増えてきて、品質にバラツキがあり、見極めが難しくなってきています。合成ではなく、天然由来の成分を発酵させて作ったサプリを選ぶようにしたいです。
天然由来のエクオールサプリとしては「ノムダス」が出ていますね。
本当につらい時は更年期障害治療を!通院するのが一番早い!
本当につらい時は、婦人科などへ通院するのが早く更年期障害を軽くしてくれます。私も婦人科に通いホルモン剤(薬)を1年半服用しました。その間に更年期障害は確かに軽くなりました。
ただ、副作用なのか体重がどんどん増えてしまったので女性ホルモン補充療法(HRT)はストップし、薬を飲むのは途中で飲むのをやめてしまいましたが。
その後サプリメントに変えて様子を見たところ、辛い症状を感じることはなくなりました。食事でも「納豆を毎日食べる」などで大豆イソフラボンやサポニンを意識して摂るようにし、サプリと食事で元気に過ごせています。
治療やサプリメントをうまく使い分けることで、辛い更年期を乗り越えることができると思います。
私の更年期に関してのサプリと通院歴
プラセンタサプリ(美容目的)
⇒プラセンタ注射(更年期障害の予防と美容目的・週2回以上の通院が無理で断念) ⇒プラセンタサプリ(更年期障害の予防目的) しばらく間が空く ⇒通院による女性ホルモン補充療法(更年期障害の緩和目的) ⇒田七人参+エクオールサプリ(更年期症状の緩和と更年期以降の病気予防目的) |
まとめ
・女性ホルモン「エストロゲン」は、女性ホルモン補充療(HRT)、女性ホルモンに似た働きをする成分で補うことができる。
・女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分として、大豆イソフラボン(体の中でエクオールになる)、サポニンなどがある。
・更年期の症状の対策として、大豆イソフラボンが体内で分解されてできる「エクオール」が鍵を握っている。
・体内でエクオールを作り出すことができるのは、日本人で40~50%。体内で作れなくても「エクオールサプリ」で補うことが可能。
⇒ サポニン含有天然由来更年期サプリ飲んでみた【私の口コミ】